コラム孫右ヱ門

秋の茶園に芋のツル?!


2018年9月19日

連日のように降っていた雨も小休止。
今日は爽やかな秋晴れの1日となりました。
茶園のある木津川の堤防では、山ツバメが飛び交っています。
草むらの虫をたくさん食べて栄養を蓄え、渡りに備えているのでしょうか?
9月も中旬を過ぎ、暑さも和らいで、ようやく日中も茶畑での作業ができるようになってきました。
秋の茶畑はこんな感じです。
初夏の茶摘みの後は、番刈りと言って、膝くらいの高さまで茶樹を切り揃えますが、
9月に入り少し風が冷たくなってくると、親葉が盛り上がるように勢いを増し、秋芽が立ち始めます。

そしてこの時期の茶畑をよく見ると、お茶の葉の間にハート形の葉を付けた「つる」をあちらこちらに見つけることができます。
これは山芋のつるなのです。
これがまた厄介もので、芋のつるはお茶の木の枝に絡みついてぐんぐん伸びます。
それを一つ一つ手作業で枝から外して取っていきます。

つる取りは簡単なように見えるのですが、実はなかなか技が要るのです。
特に厄介なのはこの「むかご」。
むかごは山芋の赤ちゃん。
これが地面に落ちると、そこからまた無数にツルを伸ばして増えていきます。
つるを引っ張って抜こうとすると、むかごがポロポロ外れて地面に落ちてしまいます。

そうっと枝からつるを外して、土を少し掘り、そっと引き抜きます。
上手くいくと種芋ごとすっぽり抜けて、絶やすことができます。
種芋ごと抜けた時は、ちょっぴり快感!
なかなかやみつきになる作業です。

お茶摘み体験に来ていただいた方はお分かりになるかと思いますが、
5月の茶摘みの時には、このような芋のつるを見かけませんよね?
それは、こうして秋の間、手作業でひとつひとつ「つる取り」をしているからこそ、なのです。
全ては次の年のお茶の品質のために。

これから茶の木は、冬に向けて枝を太らせていく時期に入っていきます。
茶園からのまたの便りをお楽しみに。